BMWの2輪車は他の2輪車とは異なる機構を採用している例が多く、特に水平対向2気筒エンジン、乾式単板クラッチ、シャフトドライブ、これらのいずれかを採用しているものが多いのが特徴です。
・水平対向2気筒エンジン
・シャフトドライブ
発進時のテールリフトが嫌われるため、日本車では一部の2輪車にしか装備されていませんが、BMWではFシリーズを除く全車がシャフトドライブモデルです。
シャフトドライブモデルの利点としては、チェーンの長さ調整や交換が必要ないこと、チェーンの摺動によるパワーロスがないことが挙げられます。
・乾式単板クラッチ
2輪車における湿式多板クラッチの採用については、パワーロスが出てしまうという見方が一般的で、他社の場合、湿式多板クラッチは主に4輪車で採用されています。
ただ、BMW社については「2輪は4輪と違う機構で」と言う考えは持たず、この点がホンダやスズキなど、他社と大きく異なる点です。
下記の新機軸については、1980年代に大幅に大型化されたエンジン「R259」とともに全車(Fシリーズを除く)に装備されています。
[テレレバーフロントサスペンション]
ブレーキングによるフロントの沈み込みを抑えるため、フォークの伸縮(テレスコピック)ではなく、前輪が跳ね上がる形で衝撃を吸収するサスペンションです。
フロントが沈み込むとキャスター角が変わるため、ハンドリングが変化してしまいますが、これを避けるために開発された物です。
[デュオレバーフロントサスペンション]
車のダブルウィッシュボーン方式のような形で、原型はホサックフォークと言われています。テレレバーよりもコンパクトで剛性が高いのが特徴です。
[パラレバーリアサスペンション]
発進時のテールリフトを抑えるために開発された物です。その名称としては「エンジン形式/排気量/使用用途別分類記号」というフォーマットが主に採用されていますが、「HP2」のような例外も存在します。主な使用用途別の付与記号は下記通りです。
[Rシリーズ(水平対向2気筒エンジン)]